No.02:シーリング材検査システム

No.02:シーリング材検査システム
アメリカも注目する自動車の生産効率を大幅に上げるシーリング材検査システム

平成24年度から始まった日産自動車九州株式会社との共同研究プロジェクト「カメラの無線化」をきっかけに、西日本工業大学と日産自動車九州株式会社との相互関係が深まっていきました。そして、平成25年度から開始された新しいプロジェクト「シーリング材検査システムの開発」は、約2年間かけて研究開発が行われ、現在、日産自動車九州株式会社の工場内で稼働しています。
シーリング材とは車内に水の浸入を防ぐ接着剤のようなものです。このシーリング材はロボットによって線状に塗布されますが、配管の中に空気が入るなどしてシーリング材が途切れると、そこから水が浸入してしまうため、確実に塗布する必要があります。塗布されたシーリング材の検査は目視で行われてきましたが、より早く正確で自動的に行える検査システムが求められていました。
そのため、社内では市販の画像処理システムをベースとした検査システムの開発が進められてきました。しかし、シーリング材は光沢のある素材のため光を反射しやすく、さらに、車の形状に合わせて複雑に塗布されているため、乱反射を起こし、カメラを用いた検査システムの開発は難航していました。
そこで、地域連携のテーマとして西日本工業大学に「シーリング材検査システム」を開発できないかと相談され、平成25年度からの共同研究として行うこととなりました。

まずは、どのようにシーリング材を計測するのかという議論となり、レーザー距離センサやカメラなどの方法が提案され、トレーサビリティを確保するため、画像としてデータを残しておけるカメラを用いることとなりました。
シーリング材が光を反射する問題に対しては、照明やカメラの設置位置を工夫することで解決しようと試みましたが、刻々と変化する外光の影響を除去することは難しく、シーリング材の完全な検出はできませんでした。
反射光対策が行き詰まったとき、照明の色を変えるという案が出てきました。これは、シーリング材の有無を検出すればよく、色を正確に認識する必要がないために可能な案でした。すぐにLED照明を準備し、様々な照明色を試した結果、青色の照明が最も外光の影響を低減できることがわかり、青色照明が用いられるようになりました。
その後は順調に開発が進み、画像処理プログラムが完成すると、工場の生産ラインとの連携を含めた実地実験を繰り返し、調整を行い、シーリング材検査システムが完成しました。完成した検査システムは、現場のスタッフによって別の生産ラインにも適用され、現在4つの生産ラインで運用されています。
なお、開発したシーリング材検査システムは、事後でしか判らなかったシーリングの不具合を即時に検出することができるため、それが生産効率の向上へつながるものとして本社やアメリカの工場からも注目され、工場の担当者が見学に来ることもあるそうです。

この共同研究プロジェクトは、我々の技術を生かしチャレンジする良い機会となっただけでなく、卒業研究として多くの学生達と取り組むことにより、学生にとって大学で学んできたことを発揮する場となり、社会にどれだけ役に立つのかを実感する大変貴重な機会となりました。そして、大学における研究開発が社会的課題解決につながることを実感することができ、大変やりがいのあるプロジェクトでした。


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