第63回 神奈川建築コンクールで優秀賞を受賞

本学デザイン学部 建築学科 三笠准教授が代表として取り組んだ『本覺寺境内整備計画プロジェクト』(本覺寺:神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷、デザイン:西日本工業大学 三笠研究室+ヒットデザイン建築設計事務所 辻瞳+神奈川大学 曽我部吉岡研究室)が、「第63回 神奈川建築コンクール」の一般建築物部門で優秀賞を受賞しました。

作品名は、「本覚寺の森 観音霊園・観音堂」。応募作品40点の中から、一次選考の書類審査(14作品に絞り込み)を通過し、8月末に現地審査等が行われました。審査の結果、「谷戸の原風景を彷彿させる地域の遺伝子を引き継ぎ、高低差の大きい敷地条件を活かした傾斜大屋根の造形と構造、それに敷地内の樹木葬や地域に開いた活動の場、大学との連携などこれから先の寺や墓園のあり方を様々提示している。長大な時間の流れを感じさせる。」との評価を受け、優秀賞に選ばれました。

本覺寺本覺寺

 

[設計趣旨]

横浜市鶴見区の谷戸の中に建つ天台宗寺院の拡張計画である。境内地の拡張にあたって、まず寺院全体のあるべき姿を一緒に構想してほしいという住職による地元大学への呼びかけからはじまった。地域の歴史や慣習、寺院が果たしてきた役割などを調査し、未来を見据えたグランドデザインの検討を重ねた結果、新しい家族像に応じた小規模な法要や活動の場と永代供養の樹木葬を中心とした整備を行うこととなった。

デザイン上のテーマはランドスケープの修復と親しみのある生活景の創出である。敷地は元々、緩やかな傾斜地であったが、一部に急激な高低差が存在し、周囲との連続性を損なっていた。これを解消し繋ぐように三角形平面の観音堂を配置し、その周りをめぐる緩やかな地形の起伏の中に墓地や広場を配置した。森に接するやや急勾配のエリアは「森の墓地」、住宅地に接するエリアは「庭の墓地」として特徴付けをし、それぞれに小さな居場所を設えることで、風景に親しむ視点場を創出している。地形に沿う一枚の大屋根は、諸空間を優しく包み込む象徴であると同時に、優しい日陰と心地よい風をもたらす環境装置でもある。相互依存の木架構は、これに温かく力強い信仰の空間性を与えている。

横浜特有の環境単位ともいえる谷戸は、元来生活と自然が調和した場であり、寺院は長らくその核として地域を見守ってきた。建築、造園、墓石を統合したこの計画によって、新しい時代に応えつつ末長く親しまれ愛される境内空間となればと願っている。

本覺寺本覺寺

撮影(全写真):鳥村 鋼一 氏

 

[関連情報]