研究最前線 Vol.04:石垣充

2016.12.19
研究最前線 Vol.04:石垣充

「制震ダンパー」が私たちの暮らしを地震から守っている。

国内で大きな地震が頻発する昨今、新築、改築問わずに地震時の揺れを吸収する「制震ダンパー」を設置するケースが増えています。「制震ダンパー」は、地震時に揺れを70%吸収軽減する性能を持っており、国内メーカー各社は、制震ダンパーを利用した様々な商品を展開しています。しかしながら、地震から暮らしを守る「制震ダンパー」は壁の中に設置されているために、生活者がそれを目視することはほぼ無い、といってよいでしょう。

「地震から守られる」という意識が変わる。

私たちの暮らしを地震から常に守っている「制震ダンパー」は目に見えないため、いつの日か設置した事さえも忘れてしまうのではないかと思われますが、その安心感を常に目にすることはひとつの意味を成すと私は思っております。例えば、学業のお守りを購入しても、勉強机の引き出しの中に入れっぱなしでは、いつの日か学業への向上心は薄れ、初心を忘れてしまいがちになるのではないでしょうか。それと同様に「制震ダンパー」も日常に見えることで生活者は『地震から守られる』という安堵を感じる事ができるのではと思い、暮らしの中に「見せる安心」をデザインしようと考えました。

研究課題及び今後の展開について

「制震ダンパー」は、自動車のショックアブソーバーとしても用いられ、ダンパ−そのものの形状は機械的な美しさを擁しています。今までは壁の中に埋もれ、人の目に触れる事の無かった美しい「制震ダンパー」の接続合板を家具や意匠性を持たせた壁面にデザインすることで、暮らしの中に「制震ダンパー」を常に美しく見せることが可能となりました。現在では、色々なパターンの合板に対するデザイン検討および加震実験を繰り返しながらの研究が始まりました。このように「制震ダンパー」を『見せる』という視点は、従来の研究には見られず、意匠面・技術面という両面性によって、⽇立オートモティブシステムズ株式会社と江⼾川⽊材工業株式会社との共願により特許申請に至りました。
この商品は既存のビル(建物)に付加(アンド)することで安堵感も付加しようという『ビルアンド』というネーミングで、日本だけでなく世界へ安心を発信していこうと、これからも企業と連携し、様々な実験を繰り返しながら商品化を目指しています。


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