2021年度 入学式 学長式辞

まず初めに、本年度の入学式は、新型コロナウィルス感染防止対策として参加者を新入生と教職員のみとし、関係者の皆様にはライブ配信をする方式での開催となりましたことに、ご理解をいただきたいと思います。

西日本工業大学に入学された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。本日ここに学部生372名、大学院生22名、合計394名の新たな学生諸君を迎えることが出来ましたことは、私たちの大きな喜びとするところです。教職員を代表して皆さんのご入学を心よりお祝い申し上げます。

また、これまで努力されてきた皆さんや皆さんを支えてこられたご家族、関係者の方々に敬意を表したいと思います。

皆さんを迎えるにあたり、まず、本学の紹介をしたいと思います。西日本工業大学は1967年4月、豊かな人間性を有した高度な工業技術人材の育成を目的として、苅田町小波瀬の地に開学しました。21世紀に入り情報やサービスが経済の重要な役割を果たす時代を迎えたことから、情報技術やデザイン思考などを理解できる技術者を育成するため、2004年に情報デザイン学科を新設し2006年4月にデザイン学部を開設と同時に小倉キャンパスをオープンさせました。1971年に第一期生を送り出して以来50年、1万8千名余の卒業生を輩出してきました。

さて、皆さんが入学した2021年ですが、世界は大きな変革期にあります。例えば地球温暖化など地球環境の限界への対応が不可欠になっています。SDGsの取組に代表されるように考え方や価値基準が変化し、地球や人類が持続可能かどうかが最優先課題になっています。また情報通信技術が劇的に進化し、AIいわゆる人工知能が仕事に組み込まれて従来の仕事が無くなったり、働き方や求められるスキルが変わったりしています。さらに経済の中心が西欧からアジアに移り、米中の対立が先鋭化してきました。このような中で私たちは新型コロナウィルスによるパンデミックを経験しています。

皆さんが卒業して社会に出る2025年には非接触型のデータが社会を動かすデジタル社会を迎えているはずで、「数理・データサイエンス・AI」がこれまでの「読み・書き・算盤」の様な基礎力として求められると言われています。また、大学を出て体力のある有名企業に入れば生涯安泰という終身雇用も幻想になりつつあります。

このように将来を見通しにくく、前例のない時代を生き抜くには、知識や技能の修得だけではなく、考える力(思考力)や判断力表現力を身に付け、自ら課題を見つけ解決する能力を身に着けることがとても重要になります。例えば人工知能AIと共存できる能力を獲得するためには、ITリテラシーに加えデータサイエンスや人工知能が苦手とする「全く新しいものを作り出すデザイン力」や人を動かす力、また「人の感情と向き合う力」が重要になります。

西日本工業大学ではこれらの基礎力を養うため、本学の特徴である工学とデザインという分野を通じて地域課題の解決に取り組む主体的な学びを実践しています。

また、地域の企業と連携して実際の仕事を体験する多様なインターンシップも準備しています。インターンシップでは、仕事以外に企業が「働き方改革」や「持続可能な開発目標、所謂SDGs」にどのように取り組んでいるのかなども身をもって知ることが出来ます。コロナ禍が収まった後は是非チャレンジして下さい。

ところで、大学生活にはもう一つ重要な側面があります。日常の過ごし方です。今日から始まる学生生活は社会に出る前の準備期間に当たります。在学中は比較的自由に時間が使えますから、興味を持ったことに積極的に挑戦して欲しいと思います。勉学以外にスポーツや芸術・文化に打ち込んでも良いですし、ボランティア活動や海外協力隊に参加するのもいいでしょう。本を読み友人と語り合えるのも学生時代の醍醐味です。

また、今年は4ケ国から17名の留学生も入学しました。留学生と語り合うことで異文化に触れ、多様性を養うことも重要です。

これらの体験を通じて一生の友と出会うのが学生時代です。小波瀬キャンパスと小倉キャンパスとは少し離れていますが、スポーツクラブやサークル活動、地域課題解決プロジェクトなどを通じて学部を超えて新たな友人を見つけて下さい

但し、光陰矢の如しです。限られた学生生活をいかに有効に使うかのヒントは、常に「どうすれば解決するのか?」「なぜそんな考えが出てくるのか?」など、問いをたて、すぐに調べる癖をつけることです。早速今から、学生時代の過ごし方を考えてください。

最後に、皆さんは、コロナ禍の経済状況が悪い中、学費を払って学んでいることを自覚してください。学費以上のものを身に着けるぞ!という意気込みが大切です。卒業に必要な勉強に加え、文・理にわたる幅広い教養を身に着け、自分の言葉でコミュニケーションが出来るようになって下さい。

その上で在学中に、どのような状況になっても生き残れる、何か好きなことに関連する「職」について多角的視点で考え、次の進路を見つけて欲しいと思います。

悩みごとがあれば身近な教職員に相談してください、解決の糸口が見つかるはずです。アクションを起こすことが重要です。自ら考え一歩を踏み出さないと何も始まりません。「変化の時代に生き残れる人材をめざして」この言葉を皆さんと共有したいと思います。

西日本工業大学での学生生活が充実したものになる事を期待し、式辞とします。
 

令和3年4月3日 西日本工業大学 学長 片山 憲一