先生インタビュー 中野 友裕

明確な理論に基づく明快な構造解析アルゴリズムの構築
プロフィール

工学部 総合システム工学科 土木工学系

中野 友裕教授・博士(工学)

静岡県出身。小学生のころ、近所で家を建てているところを見かけることが多く、材木を組み立てて家の形になっていくのを見てワクワクしたのを今でも覚えています。当時は大人になったら大工になりたいと思っていました。ひどい喘息持ちだったこともあって、外で遊ぶことよりも屋内でプラモデル作りや工作をしていることが多かったと思います。もともと生物や天体のような、人知を超えた極端に小さいものや大きいものを扱う分野に興味があったのですが、高校時代に一生懸命勉強しても生物の点数が伸びないということで生物に対するセンスのなさを痛感し、工学系に舵を切りました。高校物理の分野の中で、頭の中で理屈がすっきりとイメージできる力学を中心に扱う分野ということで、土木工学を選んだというのが正直なところです。あまり深く考えずに土木分野に進みましたが、小さい頃に工作をしていたことで知らず知らずのうちにものづくりの適性が磨かれていたようです。
大学卒業後は建設会社勤務、大学院在籍を経て、大学教員という流れで、現在まで土木工学にかかわり続けています。

研究内容

明確な理論に基づく明快な構造解析アルゴリズムの構築

構造解析というのは、さまざまな物理量(力,変形,温度,振動,材質,時間など)を用いて表される理論を、数学的手法に落とし込んで計算することです。これはコンピューターシミュレーションとも呼ばれます。この分野では汎用構造解析ソフトを用意して研究・解析を行うケースがほとんどなのですが、汎用の構造解析ソフトでは計算できない特殊な事例や新しい解析アプローチの必要なケースがあります。そういった対象について、直接的な理論による明快な計算アルゴリズムを構築することで問題を解決しています。

先生の必須アイテム

#01行列計算の参考書

30年以上前に刊行された本ですが、解析プログラムを記述するときに必要な数値演算手法がまとめられています。使用頻度は少ないものの、手放すことのできない1冊です。

受験生へメッセージ

一生懸命ものごとに取り組むことは、良い成績や成果を残すための努力であると同時に、自分の適性を見極めるために必要な経験でもあります。将来を選択するときに自分の適性を見誤らないためにも、目の前にある勉強・部活・趣味などには精一杯取り組んでください。