先生インタビュー 趙 彦

地域活性化の糸口になるデジタル・ミュージアム開発に関する研究
プロフィール

デザイン学部 情報デザイン学科

趙 彦 准教授・修士(国際情報通信学)

大韓民国の釜山(プサン)出身。小学生時代はヤンチャな遊びをしていたが、勉強面は真面目に取り組んでいました。中学ではゲームとスポーツ一色の活発な学生、高校は遊びと勉強を両立出来た真面目な学生時代でした。
大学では分かりやすく伝える力を得るために「視覚伝達デザイン」専攻し、大学院では「マルチメディアサイエンス」について学びました。
大学卒業後は映像とデザインを専門にするベンチャー企業を設立し、その後は大学の研究職、特に「サイエンスビジュアライゼーション」について研究。その時の縁でNHK科学番組のCG制作に携わり、今でも関係は続いています。その後は企業のマーケティング部の新規事業開拓部署のリーダーとしてSNSの制作に携わり、現在西日本工業大学の教員として勤務しています。
現在はサイエンスビジュアライゼーション、文化遺産のデジタルアーカイブ、映像表現手法やネットを使った映像制作について研究をしています。

研究内容

物質面での豊かさだけでなく、心の豊かさを追求していくことが重要

本研究室では、地方自治体の人口減少・高齢化などの問題に対して、より実社会で役に立てるコンテンツ開発を目指し、研究を行っています。21世紀における社会の目標・目的を考える時、物質面での豊かさだけでなく、心の豊かさを追求していくことが重要になってくると考えています。そういった背景から21世紀におけるコンテンツデザインの役割は、効率化や合理化のためだけに利用されるのではなく、人々に感動を与える仕事を創造し、人々が豊かな心を育むことの出来る社会を築いていくためのものであるべきだと考えています。

地域活性化の糸口になるデジタル・ミュージアム開発

心の豊かさを文化・芸術的な面から捉えた時、「デジタル・ミュージアム」というテーマが誕生しました。「デジタル・ミュージアム」とは美術館等に収蔵してある美術品や写真、歌、踊りなどの文化財産に関する画像・音声情報をデジタル化し、インターネット等を通じて発信する拠点を指します。地域文化を通じて地域活性化の糸口となることを目指しています。まずは、本研究室の学生をモデルに3D化の実験を行いました。立体の情報を取得するため、モデルを様々な方向からデジタルカメラで撮影を行い、その撮影データを3Dに変換するソフトウェアに取り込みます。3D化されたそのままの状態ではノイズが付いたままなので、最終的な仕上げとして一つひとつノイズを取り除いていきます。この工程により美術品等の様々な文化財産を3Dデータ化し、インターネットなどで発信することが可能となります。

研究課題および今後の展開について

本研究室は3D立体映像の他にも、バーチャル・リアリティを用いたデジタル・ミュージアム(バーチャル・ミュージアム)の開発研究についても盛んに取り組んでいます。現在開発しているバーチャル・ミュージアムは、仮想現実の空間ではなく現実の空間を体験すること目指しています。しかしながら、まだいくつかの課題もあります。コンピュータグラフィックス(以下CG)と実写映像の合成、空間内では移動や行動、利用者の動作に応じてリアルタイムに変化や応答が得られるシステムなど問題は山積みですが、本研究室では空間感覚をCGやデジタル映像をコンピュータによる画像処理技術を駆使してこの問題を解決しようと試みています。今後はバーチャル・ミュージアムを通し、地域を再発見・発信し、地域間・世帯間の交流などができるように研究を進めていければと思っています。

先生の必須アイテム

#01

#02お酒

#03キャンプに使う道具

受験生へメッセージ

楽しいと感じることを見つけよう!
まずは楽しいことを見つけるまで諦めずに前に進むことが大事です。
楽しいことを見つけるためにはたくさんの挑戦が必要です。成功も失敗も気にせず挑戦する姿勢、視野を広げ、海外にも、グローバルな世界に活躍している自分を姿を想像してみて下さい。必ず楽しいことが見つかります。