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先生インタビュー 井上 翼

情報通信技術×スポーツという
新しい可能性への挑戦
プロフィール

工学部 総合システム工学科 電気情報工学系

井上 翼 准教授・博士(工学)

「ゲームセンターに入り浸っている」とマークされていた中学時代、漫画「こち亀」がきっかけで高専へ進学。高専では中学までの経験を生かし?情報工学を専攻。
高専では、ファッションやバドミントンにハマり、「エクステをつけた学生がバドしかしない」とマークされる始末。その甲斐あって?バドミントンでは全国高専大会で準優勝。これらが今の研究開発の土台となる。
高専時の研究では、指導教員がバドミントン部顧問だったという理由のみで、音声信号処理分野を選択。大学院進学後も同様の研究を続け、特に音源分離について研究。「博士号を取りたければバドを辞めろ」という教授の声にも負けず、無事に博士号を取得(バドミントンでは大学院でも全国大会優勝)。その後、専門学校教員を経て現職。
現在はICTの応用をテーマに、ICT×(スポーツ・教育・工学)について研究。ICT×バドミントンとしてゲーム分析やアプリ開発の他、教材開発等も行う。
大学外では日本バドミントン協会普及指導開発部、日本バドミントン学会理事等の役職を担う。

研究内容

一部の団体競技には認められつつあるICTのスポーツ活用

近年の競技スポーツにおいて、ICT(情報通信技術)を活用する事で選手の生体データや競技データを収集し、競技後にそのデータを基にした分析を選手やチームにフィードバックするという図式が垣間見られるようになりました。競技中の様々なデータが活用されている野球やバレーボール、サッカーなどは、WEB上で有効データを入手できるということもあり、研究は更に進化し人気団体競技ではICT導入は一般化されつつあります。しかし、競技によってはICT導入が認められておらず、データ不足な種目、特に個人競技においては未だにその導入は遅れており、スポーツ界においてもICT格差が生まれているという現実があるのも事実なのです。

国民的スポーツとして成長した バドミントンにもICT技術の活用を

バドミントンはオリンピックでメダルを複数個獲得できるくらいに選手層も厚くなり、日本においても国民的スポーツと言われるくらいに競技人口も増えてきました。しかしICT導入においては他種目に比べ制限があり、研究事例、データ共に少なく、研究の幅が広がっていません。そこで本研究室では「ICT×バドミントン」をテーマに競技前後および競技後のICT導入の可能性を探ることを始めました。
本研究では、ゲーム分析においては選手の配球に対するヒートマップなどの有効データを取得、それを自動化し、それに加えリアルタイム分析するためのアプリ開発をおこなうことによってチームや個人の勝利につなげていくというもの。また、選手個々のスキルも同時に上げていくためにアイトラッカーによる「視野探索」で弱点分析や、VRを活用した「モチベーション向上」のシステム開発を研究~実践していこうと考えています。

「プロフェッショナル」の意識を持ってもらうことで 「全日本インカレ制覇」を目指します

現在、このシステムによるゲーム分析、実証実験が進行していますが、未だにバドミントンではゲーム中にICT機器を使用する事は出来ず、私たちでICT導入可能な大会を開催してシングルス・ダブルス共にその有用性を実証したいと考えています。
これはICTとは少し離れるのですが、我が校のバドミントン部は全国的にも珍しく、「企業スポンサー契約」をさせていただいています。競技前後のデータ分析、個々のモチベーションアップ、そしてスポンサーが支えてくれているといった意識、この3つの準備とそれに伴う「結果」というカタチを出すべく、プロ意識を持った大学生プレーヤーが「全日本インカレ」を制覇する日も遠くないと私は思っています。

先生の必須アイテム

supreme 12AW バックパック

基本的にはオフの日のバッグとして愛用するが、PCやタブレットも収納できるため出張用でも重宝する。10年間使用中。

受験生へメッセージ

地方大学だからこそ抜群のサポート体制がある

大学というところは、大学にあるリソースをフル活用できればものすごく充実した日々を送れる場所です。それができるならどの大学でもいいのかも知れませんが、本学であればよりそれがやりやすいかも知れません。リソースというのはモノだけでなく、人や時間も含まれます。本学の基本理念である「人を育て技術を拓く」や、教育目標である「豊かな人間性の錬成とすぐれた工業技術者の育成」等に「人」が含まれているように、技術の前に「人」があります。本学は、その「人」が1つの売りでもあるといえます。つまり、「人同士の(精神的)距離が近い」ということです。これは特に大学教職員と学生の間の距離を指し、学生をサポートする環境が常に整っています。本学を含め、理系大学へ進学した際には4年生で卒業研究という最大の難関が待っていますが、どうせやるなら楽しんでやってもらいたいですので、そのために本学の先生方は持てる限りのリソースをつぎ込んでサポートくれると思います。そしてその経験を基に、社会で活躍できる人財となり得るでしょう。
​地方大学ですが、そこから地域や国内、世界を驚かせるような、Giant Killingに挑戦してほしいと思います。