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先生インタビュー 末松 安由美

相挙動から探る生体の謎
プロフィール

デザイン学部 建築学科

末松 安由美准教授・博士(理学)

福岡県宗像市出身。子供時代は勉強は特にせず、外で遊んだり、絵を描いたりしていました。
高校卒業後、人間など"生物が動くメカニズム"を知りたくて農学部へ進学しました。しかし自分が思うようなアプローチや勉強ができずにいました。そこで、自分が物理学の視点から生物にアプローチしたいことに気がつき、予備校を経て物理学科に入学し直しました。物理学科では生物物理や化学物理を専門とする先生に師事し、現在の研究基盤を築きました。
九州大学で学位取得後、同大学の化学科の研究室で学振PDとして研究経験を積みました。同研究室には現在にいたるまで研究員として在籍し、共同研究を続けています。PDの任期終了後、九州産業大学で特任助教、のちに特任講師として大学の基礎教育を担ってきました。2023年より、西工大の准教授として現在に至ります。

研究内容

相挙動から探る生体の謎

私は現在、統計力学の手法を使って、タンパク質やコロイド粒子といった物質がどのようなメカニズムで凝集、結晶化するのかを明らかにしようとしています。結晶化というと、水が氷になる現象が身近ではありますが、それが体の中で起こると尿酸結晶や血栓、胆石といった重大な病の原因になります。また、DNAの折りたたみ等も凝集現象の一種と捉えることもできます。これまでの研究で、凝集現象は溶媒の濃度、混合物の濃度、構成物質の大きさといった物理的な要因と、電気的相互作用が絡み合うことで、複雑な挙動を示すことを示唆してきました。これにより、濃度や混合物の種類をコントロールすることで、結晶化を阻害したり促進することが期待できます。モデル系を用いた研究なので、すぐに実用化が可能な研究ではありません。しかし、重要な要素を明らかにすることができるので、今後様々な分野の発展の基礎となる重要な研究であると自負しています。この分野の研究は現在日本ではメジャーとは言えません。しかしヨーロッパを中心に世界中に興味を持たれている分野なので、海外発表や海外の研究者との議論も重視しています。

先生の必須アイテム

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受験生へメッセージ

少しでも興味がありそうな分野へ、まずは飛び込んでみましょう!
私は高校時代や高校卒業直後に、特にこれといった夢や目標を持っていたわけではありません。ただ、自分が好きなこと、興味があることを追いかけていたら今の場所にいました。ただし、好きなことを続けるには学ぶべき大切なことがたくさんあり、その多くを大学で与えてもらいました。まだ将来何をやるか決めていなくても、自分が少しでも興味がありそうな分野へ、まずは飛び込んでみましょう。失敗しても大丈夫です、何度でもやり直せます。