先生インタビュー 林 久資
工学部 総合システム工学科 土木工学系
林 久資准教授・博士(工学)
兵庫県高砂市出身。高校生時代にインターネットラジオを知り、友人とともにお手製ネットラジオ局を開設。ブロードバンドが急速に普及した時代、徐々に高音質かつリアルタイムな放送にチャレンジしました。このとき出会った仲間は、一生の友人です。
土木分野で活躍していた父親の影響で、大学では土木工学分野(2003年大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)に進み、2012年3月に博士(工学)の学位を取得後、同年4月より福島工業高等専門学校に着任。山口大学工学部の教員を経て、2023年4月より西日本工業大学の准教授となりました。
大学の卒業研究から一貫してトンネル工学に関する研究をすすめ、国内外への研究成果発表、社会貢献活動にも尽力しています。
研究内容
トンネル施工時の労働災害ゼロを目指して
山岳トンネルの建設現場では、切羽(きりは:トンネル掘削の最前面)付近において掘削直後の地山の岩盤や土砂が崩れ落ちる「肌落ち」による労働災害が問題となっています。研究室では、この肌落ち災害を未然に防止し、死傷者をゼロとすることを目標とし、落ちを検知するシステムや、リアルタイムに切羽状況を計測し、肌落ちリスクの高い場合には警報を発するシステムを開発を行っています。
トンネル坑内に発生する漏水およびつららに起因する維持管理業務の省力化に関する研究
冬季においてトンネル坑内の覆工につららが発生する場合があります。覆工に発生するつららは、交通障害やトンネル内設備に損傷を与える要因となるため、管理者はパトロールや手作業での除去作業により、つらら関連被害を未然に防いでいますが、これらの作業はトンネル維持管理上、管理者への負担が大きいことが問題になっているため、冬季のトンネルの維持管理におけるつらら対策の効率化が必要であると考えます。そこで研究室では、つらら発生時の坑内環境を解明するためにトンネル坑内環境の測定や、漏水量や温度をパラメータとして、つらら発生実験を行っています。