新着情報 学生インタビュー|建築学科 中原礼央さん(築74年の団地リノベーション)
デザイン学部 建築学科4年生の福吉竜成さん(宮崎工業高等学校出身)、中橋えりさん(西原高等学校出身)、中原礼央さん(小倉工業高等学校出身)の3名が、家賃1万円(3年間)で入居者が内装をDIYする北九州市門司区の築74年団地のリノベーションを行っています。詳細はメンバーを代表して中原さんへのインタビュー形式でお伝えします。
インタビュー
Q. 活動内容や目的は?
築74年の団地を学生チームでリノベーションし、建築・芸術学生の過去作品を展示する再評価の場や、模擬店舗として出店できるイベント空間をつくる活動です。空き家問題への関心と、実践的に学びながら地域へ貢献したいという思いから参加しました。設計だけでなく施工や運営も行っています。
Q. 活動時期や活動時間は?
活動は2024年12月に開始しました。週に一度作業日を設け、1回あたり約8時間ほど現場作業や打ち合わせを行っています。また、現地作業以外にもSNSを通じて空間デザインの案出しを常に行い、メンバー間でアイデアを共有しながら進めています。
Q. 最終目標は?
多様なクリエイティブ活動を行う学生や若者が交流・発信できる場をつくり、地域への新たな刺激や興味を生み出す価値ある空間を目指しています。また、築74年の団地が持つ経年美化を尊重しつつ、現代的なデザインを組み合わせた“ヴィンテージモダン”な空間として再生することを最終目標としています。
Q. 現場はいかがですか?
活動のなかで苦労しているところは、肉体的なしんどさがあります。築74年の団地にはもちろんエレベーターはありません。私たちが借りているのは4階のため、解体した瓦礫を運ぶのにも一苦労です。また大学の講義で行う設計コンペとは違い、費用の問題や理想のデザインがあったとしても私たちの技術では再現できないなどの現実的な問題が生まれてきます。その縛りや苦労する面がある中、メンバーで試行錯誤を行い、切磋琢磨をし作業を進めて一つの空間が仕上がっていくことが1番のやりがいです。
Q. 成長できたことは?
現場での作業を進める中で、段取り力や問題解決能力が大きく伸びました。限られた時間と予算の中で作業手順を組み立て、突発的なトラブルに対してその場で最適な方法を判断する力が身につきました。
Q. 大学の講義が今回役立ったと思うことは?
建築計画や建築材料などの講義で、壁や床の構成や仕組みを学んでいたため、解体時にどこを外せばよいか、どの部分が構造的に重要かを理解しながら作業できました。その知識のおかげで、解体後の下地づくりや構築作業もスムーズに進められ、実践と学びがつながる実感を得ることができました。
Q. 将来の夢は?
今回のプロジェクトを通して、設計から運営まで一貫して関わる面白さと責任を強く実感しました。将来は、より大きな規模で予算や関係者も多いプロジェクトに挑戦し、空間づくりを通して地域に新しい価値を生み出す仕事をしたいと考えています。企画から運営までを自ら手がける力をさらに磨いていきたいです。