新着情報 産学連携の取組みで開発した生産技術のライセンスを鳥取県の企業へ供与
このたび、西日本工業大学(福岡県京都郡苅田町 学長:西尾一政、以下「本学」)は、産学連携の取り組みとして、日産自動車九州株式会社(本社:福岡県京都郡苅田町 社長:荒井 孝文、以下「日産九州」)との共同研究で開発した「AGV状態監視モニタリング技術」のライセンスを、日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:西川廣人、以下「日産」)が、株式会社日本マイクロシステム(本社:鳥取県米子市 社長:高島主男、以下「日本マイクロシステム」)に供与することに賛同いたしました。
本学と日産九州とは、2012年4月に産学連携協定を締結し、同社の製造現場における課題を本学の教員、学生と日産九州の社員との共同研究により解決する事業を展開しており、工場内で稼働する屋外用AGV(無人搬送車)の共同開発や、この度の「AGV状態監視モニタリング技術」の開発に取り組むなど、産学連携での研究成果を挙げてきました。
また、この「AGV状態監視モニタリング技術」は、2016年9月に横浜市のパシフィコ横浜展示ホールで開催された、第21回からくり改善くふう展2016・製造現場における「見える化」改善展2016に日産及び日産九州が出展し、最優秀見える化改善賞を受賞しました。
AGVとは、無人搬送車「Automated guided vehicle」の略称で、自動車の組み立て工場等の現場で、あらかじめ設定された経路を自動的に走行することで作業者の手元に必要な部品を供給するために多数使用されています。
AGVは、磁気テープ等やプログラムで簡単に経路設定が可能で、稼働中の工場の生産ラインへの追加導入が容易であるという特徴がある反面、個々の搬送車の状態や運用状況を統合的に管理する事が困難で、例えば個別のAGVが障害物との接触やバッテリー切れなどによる停止状態となった場合には、運用管理者がAGVの経路をたどり、トラブルが発生したAGVの位置や状況を確認したうえで対処する必要がありました。
このAGVの課題をテーマに、本学と日産九州とで共同研究を推進した結果、「AGV状態監視モニタリング技術」の共同開発に至りました。
このたび、日産より「AGV状態監視モニタリング技術」のライセンスを、日本マイクロシステムに供与することに当たり、「地域に根差した研究機関との共同研究に加え、元気なものづくり中小企業を技術面からサポートすることを通し、より豊かな地域社会の発展に寄与する」同社のライセンスビジネスの趣旨に賛同いたしました。
本学といたしましては、今後も日産九州と産学連携活動を展開し、共同研究による生産現場における課題解決と、人材育成に取り組んで参ります。
日産九州の工場内で稼働するAGV