西日本工業大学
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文部科学省大学教育改革プログラム 西日本工業大学 地(知)の拠点整備事業

平成26年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC)」において、北九州・京築地域の3市5町(北九州市、行橋市、豊前市、苅田町、みやこ町、築上町、上毛町、吉富町)と連携した本学の「工学とデザインの融合による人を育て地域を拓く拠点づくり事業」が福岡県で唯一採択されました。北九州および京築地域は、全国有数の鉄鋼業ならびに自動車産業などが立地する地域であり、技術開発や人材育成などの課題を抱えています。これらを地元の自治体、企業ならびに地域住民と共有し、多方面からの連携協力と、本学の資源である工学的な技術とデザイン的な発想で解決することを目指しております。

地域を志向した大学を目指して

北九州・京築地域は、製鉄や大手自動車製造企業など世界的に有名な企業をはじめとして、知名度は高くないものの世界的シェアの高い企業など、多種多様な企業の集積されている特徴的な地域です。また、織物などの伝統工芸や丘陵地域における棚田農業、各地域で開催される神楽や祇園祭など地域資産も多く存在しています。そこで、「地域を知り」、「課題を発見し」、「工学とデザインの領域から柔軟に課題へ対応できる人材」を育成する教育を実施します。これにより、学生のシビックプライドを醸成して、地域に根差し地域への就業力を有した学生を輩出することで、地域再生・活性化を行います。

工学とデザインの融合による「地域課題解決型の教育・研究・社会貢献」活動

対象地域の自治体などから持ち込まれる地域課題は、主として「地域の建築資源の再生と活用」、「丘陵地域での獣害対策」、「次世代の主役となる小中高生へのものづくり教育」です。これらの地域課題を解決するために、工学的思考にもとづく研究・開発による(ハード面からの)最適化技術と、デザイン的思考にもとづく調査・分析・企画・設計による(ソフト面からの)最適化戦略を、一体化・融合して相乗効果を生み出します。またこれらの地域課題を解決する「知の拠点キャンパス」として本学では既に地域と大学の教育研究社会貢献の活動拠点「デジタルものづくりカフェ」を両学部内に整備しています。本事業では、この整備された環境を生かして、多種多様な地域課題に対して工学とデザインの融合による地域課題解決型教育研究プロジェクトやワークショップを実施して、地域の再生・活性化と地域社会の発展へ貢献します。

地の拠点キャンパス「知域創造ポータル」整備

地域に対する取組の多面的な展開を図るため、各種公共施設や廃校などの遊休施設を活用することにより、地域に根差した小規模な活動拠点として、さらに大学と地域とをつなぐ扉(ポータル)としての役割を担う地(知)の拠点として、連携ポータル「知域創造ポータル」群によるネットワークを構築します。本学から離れた地域におけるこれらの拠点を広く展開・活用し、地域の課題を解決する教育研究プロジェクトやワークショップを実施することで、学生や地域自治体をはじめとする地域の方々が、地域課題を直接発見・理解し、さらにそれらを解決することで地域に根差した「人財」を育てます。

教育

「地域社会から求められる就業力を備え、工学とデザインによる総合的な課題解決を行える人材」を育成するために、全学的な地域志向科目を創設するとともに、工学とデザインの融合をはかる科目群を展開します。

地域を志向したカリキュラムへの取組強化

地域に対する「情報収集力」「課題の発見・分析力」「課題の解決・実践力」を育成する教育プログラムを構築します。

地域工学とデザインの融合科目の新設

工学とデザインの「相互乗入型科目」「学部横断科目」を開講して、豊かな知識と幅広い視点で地域の抱える課題に取組む能力を育成します。

PBL科目の充実

工学とデザインを融合した多くのPBL科目を開講します。またそれらの科目の多くは、デジタルものづくりカフェや知域創造ポータルを活用して取り組みます。

研究

本学が地域志向として掲げている「工学とデザインの融合による地域貢献」を進めるために、地域への情報発信システムを整備して、全学的に地域課題の解決に取り組む体制を確立します。特に、研究センター付設の各研究所(地盤工学研究所、岩岳川河川研究所、自動車・ロボット研究所、デザイン研究所(新設))において、地域から持ち込まれる課題を解決します。また、工学部とデザイン学部が共同で取り組む実践プロジェクトを充実させ、地域活性化を図りながら研究を通して学生の就業力を育成します。

地域連携センターを「地域を志向する研究活動の核」として、全学的な地域の課題解決に向けた研究を行うなど、研究内容アーカイブを構築して、成果を地域に還元する仕組みを整備します。これは、地域の課題へ「工学とデザイン」を融合した本学の研究シーズとのマッチングを行うことで実現します。新たに教育評価室を設置して、地域に関する教育・研究・社会貢献に関する成果に対する教員評価制度を充実させることで、地域課題に取り組む教員数の増加を図ります。また、学内の特別教育研究事業において、「工学とデザイン」を融合した研究や、両学部の教員と学生による地域課題解決型の教育研究プロジェクトを優先的に実施することで、地域へ寄与する研究テーマ数を増加させます。これにより地域活性化に関する研究活動の拡大発展を図ります。地域自治体や地域企業との共同研究・受託研究などをさらに増加させるとともに、自治体に知見を提供する教員数を増やします。

社会貢献

本学の社会貢献は工学とデザインの融合によって産み出されることを特徴としており、対象地域の「エネルギー」、「防災」、「まちづくり」、「超高齢社会対策」などの解決すべき課題に関する情報を共有する機会や場所の整備を行うとともに、教育・研究と同様にそれらの課題を解決します。

地域連携センターにおいて、地域の声を受け止め、学内の課題解決能力とマッチングできる調整機能を充実させて、さらに、地域における社会貢献活動(公開講座・イベント・出前授業など)の一元管理を行います。生涯学習の機会を、過疎化の進行している地域においても提供します。これにより地域で気軽に学ぶことのできる場を提供するだけでなく、地域からも課題や情報を得る場になることが期待できます。社会人向けカリキュラムを充実することにより、社員教育に困っている企業などに地域の学び場を提供して、技術交流によるシナジーを産みだします。