教育研究シーズ[デザイン学部] 古田 智基
デザイン学部 建築学科 教授 古田 智基
研究キーワード
木質構造、制震、免震、ダンパー、耐震診断、耐震補強CLT(Cross-Laminated- Timber)、PBL(Project-Based Learning)
現在の教育研究分野
- 木造住宅制震構造標準化を可能にする制震デバイス(制震金物)の開発
- 靱性型高倍率ハイブリッドパッシブ制震ダンパーの開発
- CLTによる在来軸組フラットスラブ工法の開発および設計法の検討
- 木造住宅の耐震診断・耐震補強(PBL型教育実践)
開発,研究事例・研究作品
木造住宅制震構造標準化を可能にする制震デバイス(制震金物)の開発
現行の耐震基準を満足した木造住宅においても震度6強以上の地震を経験すると、大きな余震に耐えることができるか定かでありません。そこで、木造住宅の耐震要素で重要となる筋かいに着目し、筋かい金物に制震ダンパーの機能を付加し、建物を「耐震+制震構造」標準化することができる制震デバイスを開発しました。
靱性型高倍率ハイブリッドパッシブ制震ダンパーの開発
繰返し応力下でも剛性低下が非常に小さい高減衰ゴムと、滑り(摩擦)とを組み合わせたハイブリッド・パッシブダンパーを開発しています。開発するダンパーは、実質壁倍率7.0を目指しており、木造住宅の耐震設計に無理なく対応できます。
CLTによる在来軸組フラットスラブ工法の開発および設計法の検討
在来軸組工法の木造住宅を対象とし、横架材も含めた水平構面をCLTに置き換える「在来軸組CLTフラットスラブ工法」を開発しています。この工法は、在来軸組工法の枠組みに収まるものであり、横架材が不要になることでの工期の短縮、床の遮音性能の向上、面内せん断剛性の向上などが期待できます。
木造住宅の耐震診断・耐震補強(PBL型教育実践)
耐震改修が必要な木造住宅は、国土交通省の調査で全国に未だ500万棟以上あります。地域の木造住宅を対象に、PBL型教育を取り入れた耐震診断を実施し、安価で安全な耐震補強工法を提案・提供します。
共同研究で可能になること
- 「制震金物」は、木造住宅の制震構造を標準化できます。震度7クラスの繰り返し地震に対しても人命・財産が確保できます(最大応答変位を半減以下にします)。
- 「ハイブリッドパッシブ制震ダンパー」は、木造・小規模鉄骨構造の耐震補強等に威力を発揮します(もちろん新築にも適用可能です)。これまでにない高性能(高倍率)な制震ダンパーです。
- 「在来軸組CLTフラットスラブ工法」により、工期の短縮、床の遮音性能の向上、面内せん断剛性の向上につながります。国産材使用率の向上にもつながります。
- PBL型教育の実践の場として、耐震診断が受けられます。学術的な耐震補強が提案でき、有意義な人材育成につなげます。
連携先
地方自治体、設計事務所・建設関連企業、メーカー関連企業など