教育研究シーズ[デザイン学部] 羅 承賢
デザイン学部 建築学科 講師 羅 承賢
研究キーワード
産業副産物、建築材料開発、再資源化、コンクリート補修
現在の教育研究分野
- 統計手法によるセメント系材料の最適化
- 環境に優しい高炉スラグ微粉末を用いた建材の開発
- 実環境にさらされたセメント系材料の圧縮強度予測
開発,研究事例・研究作品
もみ殻由来の高純度シリカを用いた建築・土木材料の開発
もみ殻は、国内で年間150万トン以上発生しています。現時点での、もみ殻再利用率は、半分以下に留まっており、より有効かつ適切なリサイクルシステムが求められています。既往の研究では、もみ殻を適切に洗浄・焼成をすることで、純度99%以上の反応性の高い、もみ殻由来のシリカの製造に成功し、これを用いた土木系材料である岩盤注入用のグラウトも開発されました。
統計手法による建築材料の最適化
Minitabによる統計的な手法を用いて、セメント系材料の最適な混合比率の検討を行います。この手法を用いることで、各影響因子の相関関係や、最適な材料の製造条件を見出すことが可能となります。
環境に優しい高炉スラグ微粉末を用いた建材の開発
この研究では、非晶質シリカを有する高炉スラグが、ボイラー灰由来の水酸化カルシウムと反応してC-S-Hゲルを作ることで、強度を増進することに着目しています。以前、土木系材料である、鉱山用の気泡コンクリートを開発を行い、実現場においても優れた性能を有していることが認められました。
コンクリートの性能予測
本研究では、セメントの物性を予測するプログラムを使用して、コンクリートの強度の予測を行います。これにより、コンクリート型枠の脱型時期を予測することが可能です。
共同研究で可能になること
建築分野において低炭素社会の構築に向け、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、もみ殻などを用いた安全かつ信頼性の高い材料の開発が求められております。このような材料を建材として使用することは、廃棄物量を低減することから、環境を保護する上で非常に有効です。私は「新たな建築材料の開発」を専門に研究しており、大学・企業との共同研究によって、建築・土木コンクリートの補修工法の開発や地盤用のグラウト、軽量コンクリートなどの材料の開発および実用化を行ってきました。このような建築・土木材料の研究開発に関しまして、ご質問がありましたらお気軽にご相談ください。
連携先
地方自治体、メーカー関連企業など